伊勢藤
1937年創業の居酒屋。
肌寒い日だったので、酒でしっぽり温っまりてえと暖簾を潜った。
長い縄暖簾の正面からは入れない。
右手に入口がある。
引き戸かと思いガタガタやっていたら、開き戸であった。
一見客であることがばれてしまった。
5時を少しまわった頃だったので口開けであった。
店内は渋い雰囲気。
作務衣の大将が囲炉裏で灰を均していた。
左手の棚に上着を置きカウンター席に尻を滑らせる。
大将にお燗で良いか尋ねられた。
YES.
酒は白鷹のみ。
肴は一汁三菜。

大将が真剣に燗をつける。
手のひらで温度を確かめる。
酒道場といった感じだ。
お猪口は台に載せられております。
儀式のような感じだ。

白鷹を呑む。
旨めえ。
今までの緊張がゆっくり解れてゆく。

肴が二つ小さい器で出てきた。
料理の写真を撮ってよいか尋ねる。
NG.
御遠慮ください。
なので写真は入口の照明のみ。
残念だが仕方がない。

肴は酒が進むように、塩っ辛いものが混じってる。
チビチビ摘みながら呑むのが心地よい。

酒をお代わりしたら、三つめの肴が出てきた。
そのあと、豆腐の味噌汁。
こちらは塩分控えめ。
チャイサー代わりだ。
一汁三菜はここまで。

お銚子三本目になると、干し豆が出てきた。
チビチビ出てくるのが楽しい。
追加で畳鰯を炙ってもらった。

客が次第に増えてきた。
三人客の話し声が大きくなり、大将から指導を受けていた。
場の雰囲気を大事にして欲しい。

体が温まったので帰えることにする。
勘定は、3,780円であった。
また来てみたい。

【伊勢藤】
東京都新宿区神楽坂4-2